魔法使いと傭兵

傭兵:男
24歳
魔法使いに過去に勝手に付きまとってた男。
魔法使いから剣の技術を盗み、今では傭兵をしている。
態度は軽く、性格は明るい。

魔法使い:男
年齢不詳
ある事から呪いで魔法が使えなくなってしまった魔法使い。
魔法が使えなくてもとっても万能
唯一の欠点は面倒くさがり。
呪を解くために弟子の少女と旅に出る。
見た目だけなら20代前半。

【配役表】

傭兵:
魔法使い:



酒場にて

傭兵「よっ、隣。空いてるか?」

魔法使い「……随分と懐かしい顔だな」

傭兵「最後にあったのは10年前だっけか?」

魔法使い「どうだったかな、覚えておらんわ」

傭兵「あっ、ひでぇ。大事な弟子との別れくらい覚えててくれよ!」

魔法使い「ふん。お前が勝手についてきてただけだろうが」

傭兵「しっかし、あんたは見た目全く変わらねぇなぁ……! ガキの頃の記憶の姿そのまんまだぜ?」

魔法使い「これでも随分老いぼれたさ。……自分で驚くくらいにな」

傭兵「聞いてるぜ? 魔法が使えなくなったんだと?」

魔法使い「……」

傭兵「そんで弟子と一緒に解呪の旅の途中ってわけだ。あの先生が弟子と一緒に二人旅とは驚きだ」

魔法使い「……」

傭兵「今なら、あんたに勝てるかもな?」

魔法使い「……ほぉ?」

傭兵「魔法が使えないんだろ? それなら俺にもチャンスはあるんじゃないかー、なんて」

魔法使い「試してみるか?」

すさまじい威圧感。ざわつく店内。おどおどマスター

傭兵「……やめとくさ。あんたに勝てる気なんてしない」

魔法使い「ふん」

傭兵「魔法だけじゃなく腕も立つなんて神様もずるいよなぁ。俺なんて精いっぱい努力してもついて行くのがやっとだったってのに」

魔法使い「私に着いてこれるだけ十分異常だとは思うがな。割りと本気で諦めさせようとしてたのだが」

傭兵「根性だけはあるからな!」


傭兵「弟子は、取らないんじゃなかったのか?」

魔法使い「聞きたいのはそっちか?」

傭兵「魔法の件に関しては、あんたには思い当たる節が多すぎるだろ。何人から恨まれてると思ってるんだ?」

魔法使い「確かにな」

傭兵「疑問なのは弟子の件だ。本当にあんたの弟子なのか?」

魔法使い「気になるか?」

傭兵「そりゃぁそうだ、俺はあんなに拒否されたからなぁ、私の生涯に弟子というものは必要ない。ってな」

魔法使い「それでもしつこく付きまとってくるのがお前だったな」

傭兵「ああ。それで俺は勝手に先生と呼ばせてもらって、あんたの剣術を盗み、一流の傭兵と言われるくらいにはなったさ。
   でも俺はあんたの弟子にはなれなかった」


傭兵「もし、あんたが弟子をとったのなら何故俺は駄目だったのか? それが知りたいんだ」

魔法使い「あいつは、確かに弟子のようなものだが……実際の師弟関係とは全く異なるものだ」

傭兵「ふーん。弟子のようなもの、ね。随分そいつに入れ込んでるみたいだが?」

魔法使い「まぁ、魔術に関する事は教えているな」

傭兵「魔術……?それこそあんたが誰にも教えてこなかったものじゃないか。俺だって魔法に関しては一切学ぶことはできなかったぞ?」

魔法使い「誤解するな。魔術に関する事は教えているが、あいつは魔法は使えん。それに剣術、武術だってあいつは全くできんよ」

傭兵「……どういうことだ?」

魔法使い「これを使ってみろ」

傭兵「なんだこれ? 鋼材かなんかの箱、みたいな……」

魔法使い「側面の紋章に触れてみろ」

傭兵「紋章って、これか?」

火が付く

傭兵「あっづぅ!? なんだこれ、あんたの魔法か?」

魔法使い「いや、私は何もしとらんぞ」

傭兵「っていうと、この箱の紋章から……?」

魔法使い「あいつがつくったものさ」

傭兵「あんたの弟子か、……こいつは一体何なんだ?」

魔法使い「魔法が誰でも使える道具だから魔法具と呼んでいる」

傭兵「確かに、魔法みたいな道具だな……」

魔法使い「私も良く分かってないんだがな。あいつは魔法を物に宿せるらしい」

傭兵「あんたも知らない類の事なのか」

魔法使い「ああ。精霊さんがどうたらこうたら言っていたが、私にもさっぱりだ」

傭兵「成程な。分からないから研究のためにって事か」

魔法使い「違う。私は別にそんなものに興味はないし、もし必要ならその程度の魔法、自分で行使すれば良い」

傭兵「じゃあなんでまた不思議系能力者のお嬢さんを手元に?」

魔法使い「あいつは魔術の使い方やら全く分かってないからな。
     本人は全く使えんから良いとしても、その道具が誰の手に渡るか……」

傭兵「ん? 自分で作った道具すら使えないってのか?」

魔法使い「ああ。誰が試しても使えるらしいが、作った本人は全く使えんらしい。それもわからんうちの一つだな」

傭兵「何が何だか分からん道具を作れるってのか」

魔法使い「あぁ。だから厄介な者たちに利用されぬよう私が管理しているということだ。
     私が作ったとでも言っておけば大抵のものはそれで納得するだろうからな」

傭兵「おぅ。俺も最初は間違いなくあんたの仕業だと思ったぜ。少し火傷しちまった」

魔法使い「疑問は解けたか?」

傭兵「ある程度はな。だけどそんな子、どこで見つけたんだ?」

魔法使い「魔法で作った」

傭兵「……!」(せき込む

魔法使い「冗談だ。私がそんな事をするように見えるか?」

傭兵「見えないとでも思ってるのか?」

魔法使い「ふむ……これでも禁忌狩りと呼ばれていた時期もあったんだがな」

傭兵「あんたの場合は色々起こしすぎて何しててもおかしく無いんだよ」

魔法使い「……傭兵、話の途中だが。お前に依頼をしよう」

傭兵「? おいおい、この胸のバッジみりゃ分かんだろ。今はこの町の警備の専属契約中だっての」

魔法使い「何、気にする必要はない。すぐに終わる依頼だ。なんだ、それとも私と手合わせはしたくないということか?」

傭兵「……勝てるかもって言われたのがそんなに癪にさわったか?」

魔法使い「いや、ただ単にお前の実力を見てやろうと思ってな」

傭兵「へぇ、そりゃまたどうして」

魔法使い「お前を弟子と思ったことはないが、お前が勝手に盗んだものがどれ程の物かは幾許か興味がある」

傭兵「そりゃ願ってもない話だが、依頼の報酬金は?」

魔法使い「此処の支払いで十分だろう?」

傭兵「……二重契約はほんとはご法度なんだが。まぁ、これくらいは町長さんも許してくれるか」

魔法使い「契約成立、だな。こんな時間だ。少し街道に出れば誰も通らんだろう。先に出て待ってろ」

傭兵「はいよ。じゃ、支払い任せたぜ」

傭兵、出てく。魔法使い、グラスを飲み干して代金をマスターに聞く。

魔法使い「あいつ、こんな高額な…!?」


傭兵「……来たか」

魔法使い「準備は、できてるか?」

威圧感を感じる。傭兵の頬を汗が伝う。

傭兵「ああ。って……おいおい、ずいぶん本気じゃないか?」

魔法使い「ああ、手加減できるかわからん。死ぬ気で来い」

傭兵「ははっ、俺の酒。そんなに高かったか?」

魔法使い「……」

傭兵「俺は以外に、稼いでるんだ、ぜっ!」

傭兵、踏み込む

魔法使い「……こんな鈍らな腕でか?」

あっけなく止められる。

傭兵「言ってくれるねぇ。これでも傭兵の中じゃ腕は立つって評価なんだが」

魔法使い「それなら私が契約してやったら何十倍になるかな」

そのまま傭兵を後ろに弾く

傭兵「ははっ、依頼する側がそんな金出せねえっての」

魔法使い「そうか。なら、お前に俺への手合わせの依頼をさせれば良かったな」

魔法使い、踏み込み剣を振う

傭兵「くっ……ははっ、勘弁してくれよ。俺からいくら持ってく気だ?」

受けたはいいが、かなり押される。そして再び後ろに弾かれる。

魔法使い「ふん。この私が金を払って相手をしてやってるんだ。たっぷり付き合ってもらうぞ?」

傭兵「はぁ……あんたの腕の錆取りくらいにはなってみせるさ」

  • 最終更新:2017-06-20 00:20:57

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